ICT文具論 豊福晋平先生インタビュー( EDIPEDIAとのコラボ)




GLOCOM(国際大学主幹研究員・准教授)の豊福晋平氏は、freedu代表と大学の同級生です。
そして「(公財)学習情報研究センター」ICT企画委員会プロジェクトに共に関わってきました。

EDUPEDIAから「豊福先生にインタビューしたい」という話があり、豊福先生にその旨伝えたところ、快諾していただき、このインタビューが実現しました。

ここでは、このインタビューを要約してお届けします。
詳しくはEDUPEDIA記事の本編をご覧ください。


【ICT文具論①】学校へのICT導入の障壁とは

これまで学校へのICT導入がうまくいかなかった理由

  1. 学校と家庭とのデジタルでデバイト( 格差)を問題視してこなかった
  2. 研究授業がICT活用のハードルを上げてしまった
  3. 短時間の利用のみで教育的効果を求めてきた

ICTを先生が与える教具としてではなく、子どもが普段使いをする文具にするために大切なこと

  1. ICTは鋭利な刃物と同じ。正しい使い方をすると、自分の力を数百倍にもできるが、使い方を間違えてしまうと、自分だけではなく周囲や社会にも大きな危害を及ぼすことになる。
  2. ICTを文具として活用し、教育的効果を発揮するためには、子どもが自分で道具選択をする必要がある。賢い使い方をすることにより、その子自身の学びにつながる。

【ICT文具論②】ICTを先生の教具から子どもの文具に

ICT活用が効果を発揮する3つの場面

  1. 効率的に知識インプットをする際の繰り返し練習のツールとして(例えば、計算ドリルなど)
  2. 自分が知的生産をする際の構成ツールとして(例えば、作文など)
  3. 書字障害や識字障害など学習障害をもつ子どものサポートツールとして

本来ICTは面倒なことや苦手なことを乗り越えるためのツール

ICTを子どもの文具にするために、学校の先生方にはどのような発想が求められるか?

  • ICT文具論は子どもの目線、学習者の目線
  • ICT文具論の発想は、子どもが毎日を楽しくするために、ワクワクを形にするために、ICT使って何か面白いことができないかというところから始まっている。

教育者の目線からの発想を一度捨てたうえで、学習者の目線を共有する事をお勧めしている。
先生方も「ICTを自分で使いこなし、物事を発見したり、創造したりを通じてワクワクできるかも」と、子どもと同じ気持ちでぜひ使ってみてほしい。


【ICT文具論③】学習者中心の教育とデジタルシティズンシップ

子どもたちがICTを文具として利用すると、授業はどう変わるか?

  • 子どもたちがICTを文具として使いはじめると、教具的には使えなくなる
  • 子どもの手元にパソコンを置いて勉強ができるようになると、先生がずっと教壇の上で教えるという授業スタイルが非効率になる
  • 子どもたちが、自分で必要な勉強をできるような状況を作れることが理想

学習者中心の授業を実現するには

  • 先生が普段から子どもをコントロールする授業をしていたら、急に子どもが自分で勉強する状況を作ることはできない。明日からいきなり学習者中心の授業に変えようとしても、難しい状況にある。
  • いきなり子どもに全権委任してもうまくいかない。段階的に子どもたちに学びの舵取りを委ねていく必要があるだんだん子どもにできることを増やし、段取りを任せるという発想が大切
  • ICTを文具として使うときは、ただICTを使うではなく授業のスタイル自体も変えていかなければならない。

子どもがICTを長時間利用している問題にはどう対処すればよいか?

  • これまでの情報モラル教育を転換する必要がある
  • 子どもたちは、真っ当な理由でスマホを使っているのに、大人の側は一方的に利用制限しようとする。これがこれまでの情報モラル教育の決定的に駄目な点
  • GIGA時代においては、従来の情報モラル教育から、デジタルシティズンシップ教育への転換が必要

豊福先生からのメッセージ

先生に限らず大人は、子どもたちのことをコントロールしたいと思ってしまうものです。しかし、子どもを四六時中大人の管理下に置くことはできません。いかに子どもを信じて、自由を委ねるかが重要になるでしょう。

世界的な教育の潮流は、学習者中心に動いているため、そこにICTもうまく乗っているというのが私の見取りです。ICTだけが学習者中心に動いてるわけではありません。
今回の話は、ICTだけの話では終わらないというのが私の一番伝えたいことです。


豊福晋平(とよふくしんぺい)先生紹介

国際大学グローバル・コミュニケーション・センター(GLOCOM)主幹研究員・准教授
北海道出身、横浜国立大学教育学部(心理学)卒、横浜国立大学大学院教育学研究科修了、東京工業大学大学院総合理工学研究科博士課程中退
専門は学校教育心理学・教育工学・学校経営。一貫して教育情報化をテーマとして取り組み、近年は、北欧諸国をモデルとした学習情報環境(1:1/BYOD)の構築に関わる。

EDUPEDIAの記事本編はこちらです

【ICT文具論①】学校へのICT導入の障壁とは(豊福晋平氏インタビュー)
【ICT文具論②】ICTを先生の教具から子どもの文具に(豊福晋平氏インタビュー)
【ICT文具論③】学習者中心の教育とデジタルシティズンシップ(豊福晋平氏インタビュー)





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