社会科の調べ学習は読書家の時間と連携させて





 5年生社会科では「これからの食糧生産」という単元があります。この単元を総合的な学習の時間の入り口として始めることにしました。横浜市都筑区が行なっている持続可能な食糧生産を調べる前に、知識の土台を作る上で調べ学習を始めました。
 知識の土台があれば、地域の方の話を聞いたり、友達と話し合ったりしたときに、知識が結びついてよりよく解釈することができます。知識と知識が結びついて学びの深まりを生むためにも調べ学習は、非常に大切な時間です。


 読書家の時間と連携させて、次のタイトルの本を都筑図書館から40冊借りました。同じタイトルを複数冊借りています。

  1. 10歳からの地産地消ブック
  2. くわしくわかる!食べ物市場・食料問題大事典(3巻) /教育画劇
  3. コンビニ弁当16万キロの旅
  4. 世界と日本の食料問題(食料自給率を考える)
  5. 世界と日本の食料問題(食料と環境問題)
  6. 世界と日本の食料問題(食料問題に立ち向かう)
  7. 世界と日本の食料問題(食料と人々の暮らし)
  8. 世界と日本の食料問題(食糧危機って何だろう)
  9. 数字でわかる! こどもSDGs 地球がいまどんな状態かわかる本 
  10. 食品ロス わたしたちにできること全3巻 

導入で食糧課題について考える

 まずは、導入で食糧課題について考える時間を作りました。食糧システムは、地球環境や紛争、貧困などに大きく関わっています。そして現在の食糧システムは持続可能ではありません。このようなことを資料をもとに話しました。


 また、NHKスペシャル「2030未来への分岐点」の動画も解説しながら紹介しました。番組では、2030年までに人々が自分ごととして食糧課題について考える必要があると提言されています。子どもたちが20歳になるまでの9年間です。
 子どもたちに

次に君たちが食糧課題について一生懸命調べるのはいつになるのか?

と問いました。今、この時間を大切にして本を読んでもらいたいと思いました。

調べ学習で「優れた読書家の技」

 調べ学習の時間は10時間ほどとりました。本を読むときには「優れた読書家の技」を使っています。この技は、これまでの読書家の時間で教科書や資料を使って子どもたちと学んできたものです。本を読むときの思考の仕方が例示されています。いくつか紹介します。

【思い直す(初めの考えにとらわれず、アタマをやわらかくして読もう)】

  • こう思っていたけど、よく読むと違った
  • 初めて知った!
  • 予想は~だったけど、違った。なぜ違ったのだろう?
  • 話し合いで自分の読み間違いに気付いた。そういうことだったのか。

 毎日の宿題では、本を20ページ以上読み、優れた読書家の技を使ってノートに1ページまとめてきます。本を読んで学んだことがノートにどんどんと貯まっていきます。途中から、しっかりと精読してもらいたかったので、20ページから10ページに減らしました。読むスピードに制限をかけることで1ページにかける時間が多くなります
 
 子どもたちは、ノートにまとめたことをもとに友達とペアトークを繰り返します。ペアトークの時間は10分間です。自分の学んだことを整理したり、友達から新しい学びを得たりすることができます。学んだことを十分にアウトプットすることが大切です。


 子どもたちは、話したことに対して質問されて答えるのは得意ですが、解釈されたことに対して解釈で返すことは苦手です。何を話せばよいか分からないそうです。ここでも優れた読書家の技が役に立ちます。


例えば、

ここを読んで私は、〇〇だと考え始めている。

という解釈するときの方法があります。これを

あなたの話を聞いて、私は〇〇だと考え始めている。

と応用するのです。そうすることで、考えを深めながら話し合うことができます。

学んだことをロイロノートでプレゼン

 最後には、学んだことをロイロノートでプレゼンテーションにしてまとめます。これを探究発表会と呼んでいます。理科で3回ほど取り組んだので、だいぶ慣れてきました。プレゼンテーションを作成したら、友達と出来栄えを高めていくために、学び合いをします。
 修正カードに具体的に何を学び合うのか記載して、そのカードをもとに話し合います。そして、完成したプレゼンテーションを自信をもって行います。

持続可能な食糧生産を調べる

 今回得た知識をもとに、都筑区の持続可能な食糧生産を調べていきます。様々なものや人と出会うと思います。何も調べなかったときに比べて、大きな学びや使命を得ることができると思います。

 2時間程度の調べ学習やインターネットだけの調べ学習では、大して調べることはできません。「ググる」と知りたいことは出てきますが、子どもには難解であったり、知りたいことだけしか出てこないからです。それは、これからの食糧生産のごく一部であって、概要まで知ることはできません。森ではなく木しか見えていないのです。

 本をベースとした探究学習をしっかりと行なっていきたいです。




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