35人以下学級を閣議決定。実現近づく。人材はどのように確保?




中教審答申を受け、政府が閣議決意

中央教育審議会(中教審 渡辺光一郎会長)は2021年1月26日、小中高校の教育の在り方に関する答申を取りまとめました。

小学5、6年で専門の教員が教える教科担任制を2022年度をめどに本格導入すると明記し、対象教科に理科と算数、英語を例示しました。
高校生の約7割が在籍する普通科を再編し、持続可能な開発目標(SDGs)といった現代社会や地域の課題に取り組む新学科を設置することを盛り込みました。

義務教育を中心とした包括的な答申は2005年以来になります。新型コロナウイルス禍や小学校の35人学級化を踏まえ、情報通信技術(ICT)を活用し、対面とオンラインを使いこなす「教育のハイブリッド化」も掲げました。

そしてこの答申を受け、政府は2月2日、公立小学校の1学級当たりの上限人数を35人とする義務教育標準法改正案を閣議決定しました。
現行は小1のみ35人で、小2~6は40人学級です。

2021年度に小2を35人とし、その後学年ごとに順次引き下げ、25年度に全学年を35人とする計画です。

上限の一律引き下げは約40年ぶり。 文科省によると、35人学級化に必要な教職員定数は21~25年度の5年間で計1万3574人になるとのこと。

全クラスが40人→35人になるわけではない

勘違いされることも多いのですが、現状の「40人以下学級」というのは、「全クラスの定員が40人」というわけではなく、「1クラス40人を超えた場合、クラスが増える」ということです。
現状でも、40人以下のクラスの方が多いのです。

文部科学省の学校基本調査によると、2020年度の小学校のクラス人数区分別クラス数は次の通りになります。

学級の人数(人)クラス数(クラス)割合(%)
7 人以下5113018.7
8~12人125794.6
13~20人201327.4
21~25人3692113.5
26~30人7030125.7
31~35人6372623.3
36~40人181666.7
41~45人1620.1
文部科学省 学校基本調査(2020年)

平均は23.37人 最頻値は26人〜30人になります。

40人以下学級以下学級なのに、なぜ40人以上の学級があるかというと、5月1日以降に転入があった場合、新たに学級編成をしないからです(5月1日以前の場合、学級編成をし直しクラスが増えます)。

35人(まで)とした場合、現時点では18328クラス(6.8%)がオーバーしていることになります。
40人以下学級の場合、1クラスの人数は20人代後半が多いことを考えると、35人以下学級になった場合、20人以下のクラスが中心になることが想定されます。

30人以下なると、子どもへの目の届き方が全然違う

筆者が今までに経験した学級の人数は、最大が40人、最小が25人です。40人と25人とを比べると、授業中の1人1人への目の届き方、配慮の仕方が全く違います。そしてノートや課題を見たり、ドリルやテストなどへの採点や、評価にかかる時間も全く違います。

算数を中心にクラスを半分にして指導する少人数指導を実施する学校も増えています。少人数指導だと全員の様子を見たり声をかけたりすることが可能ですが、クラス全員を教えているときは不可能です。

コロナ禍の一斉休校が明け、分散登校をしている時期、「クラスの子どもが半分になると、よく目が届く」という声が多く上がりました。

財務省は「クラスの人数と学力との相関関係がない」との見解でこれまでが早急定員減に反対していました。しかし、40人以下学級でも学力が担保されていたのは、個々の先生の、学校の努力の賜物だと言えます。

教員希望者が減少している中、希望者を増やすためには教員一人一人が余裕を持ち働くことができることが大切です。35人以下学級の実現は、「一人一人に目が届きやすくなる」ことによる子どもの学力向上以上に、「余裕をもって働ける」という、労働環境の改善、働き方改革の要素が強いのです。

人材はどのように確保?

文部科学省の試算によると、5年間で1万3574人の定員増が必要とのことですが、それと同時に高学年での教科担任制を進めることを考えると、2万〜3万人の教員が必要でしょう。
採用人数を増やす努力をすると同時に、副業(複業)として教師をする「フリーランス教師」を増やすことも大切になってきます。

参考:
2021年2月2日 yahoo!ニュース「35人学級法案を閣議決定 25年度までに小学校全学年」

文部科学省 令和2年度学校基本調査概要


 




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