「『超過勤務の解消』が教員の負担を増長するという矛盾」について考える




2020年1月26日 BEST TIMESより

昨今、教員の「働き過ぎ」「ブラック労働」が社会問題となっています。それを受け「給特法改訂」がされたのですが、その問題点については、以前この記事で紹介しました。問題点が解決する訳ではなく「定額働かせ放題」が確認されたようなものです。

2019年1月25日に文部科学省(文科省)は、「公立学校の教師の勤務時間の上限に関するガイドライン」を示している。その冒頭には、「社会の変化に伴い学校が抱える課題が複雑化・多様化する中、教師の長時間勤務の看過できない実態が明らかになっている」と述べている。

 そのガイドラインでは、教員の超過勤務の上限を「1カ月に45時間以内、1年間に360時間以内」としている。しかし、給特法において定められている4%の「教職調整額」は、1966年の勤務状況調査の結果を踏まえて算出されたもので、その基準となった超過勤務時間は月8時間だった。

2020年1月26日 BEST TIMESより

今回の法改定では、この「ガイドライン」が「指針」に格上げされました。しかし・・・

2019年12月13日の『山形新聞』(Web版)は「教員の超過勤務、80時間超ゼロに」というタイトルを掲げた記事を載せている。

 その記事は、「2020年度末までに複数月平均で在校時間(部活動を含む)の超過勤務が80時間超の教員をなくすなどの数値目標」を定めたと伝えている。80時間超の超過勤務をなくすということは、80時間以内の超過勤務は認める、ということになる。

2020年1月26日 BEST TIMESより

また、文科省がガイドラインを示す前の2018年9月、千葉県教育委員会は公立学校を対象とする「学校における働き方改革推進プラン」をまとめ、「在校時間の超過勤務が80時間を超える教職員をゼロ」にする目標を明らかにしている。

 これはガイドラインとは35時間もの開きがあるわけで、「これが精一杯」と千葉県も言っているように思われる。ガイドラインが示される前の千葉県、示された後の山形県も「80時間が精一杯」の状況といえる。

2020年1月26日 BEST TIMESより

「超過勤務80時間」は過労死ラインです。つまり「過労死ラインまで(無休で)働くのは仕方ない、改革のしようがない」と言っているようなものです。

ガイドラインをクリアしようと、それぞれの教委が独自のプランを策定してきている。しかし現実に即したプランというよりは、ガイドラインを守るためのプランばかりだ。

 現実を無視しているから、仕事が残っているにもかかわらず帰宅を強制される「時短圧力」も横行している。時間を決めて、強制的に学校中の電気を消されて、帰宅するしかない状況に追い込まれる、といった話を聞くのも珍しいことではない。

 文科省のガイドラインも、それを守らんがための教委によるプランも、結局は「絵に描いた餅」でしかない。その皺寄せがくるのは、もちろん教員だ。超過勤務をするしかない仕事内容に苦しめられる教員が、さらなる「絵に描いた餅」プランに苦しめられている。

2020年1月26日 BEST TIMESより

この記事にあるように、働き方改革のために多忙になる、ということがあっていいはずがありません。

ほんとうの意味での働き方改革が実現されるのかどうか、教員は危機感を抱いているのだろうか。それとも、過重労働でしかない超過勤務を黙って受け入れてきたように、「仕方ない」と教員たちは沈黙を守りつづけるのだろうか。

2020年1月26日 BEST TIMESより

「仕方がない」と思っているのではなく、声を挙げる、改革するための時間もモチベーションもないのです。現状を打破するためには、そのための労力が必要です。その労力をかけると今より多忙になってしまうと思っているのです。

そして本来このような改革に声を挙げるのは、(組合などの)教職員団体のはずです。しかし、この20年くらい、教職員団体は骨抜きにされてしまい、すっかり力をなくしているのです。

『「超過勤務の解消」が教員の負担を増長するという矛盾』2020年1月26日BEST TIMESの記事はこちら




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