厚労省「体罰によらない子育てのために」ガイドラインの意義を考える




2020年2月18日 日テレNEWS24 より

相次ぐ児童虐待事件を受けて、今年4月から、保護者らによる子どもへの体罰が法律で禁止されます。「何が体罰にあたるのか」を示したガイドラインを厚労省の専門家会議がまとめました。

「どんな軽いものでも体罰は法律で禁止される」として、体罰の例として次のようなものを例示しています。

体罰の例としては、「人のものを取ったのでお尻をたたく」「宿題をしないので夕ご飯を与えない」「きょうだいと比べてけなす」などを挙げた。

2020年2月18日 日テレNEWS24 より
厚生労働省 ガイドライン案 

「何でも体罰にしたら子育てができない」「子どもがつけあがる」といういう意見が根強いのですが、本来「罰」というものは

  • 「なにをしたらこうなる」という決まりが事前に明白になっている
  • 罰を与える方、受ける方が双方納得している
  • 感情的にならず冷静に執行する

ものです。それをせずに問題が起きたときにその場で感情的に執行したら、
それは「罰」ではなく、「暴行」です。

そして、体罰をしない工夫として、子どもが出かける前の支度が遅い場合、着替える、カバンを持つなど、やることを区切って伝え、それができたら具体的にほめる、など具体策も示している。

2020年2月18日 日テレNEWS24 より

しかし、体罰容認の意見は根強くあります。

  • 「非現実的だ」
  • 「子供をつけあがらせる」
  • 「しつけができない」
  • 「自分で痛みを知らない人間は他人の痛みを理解できない」

などです。しかし、大人が暴力を伴う罰を与えるときは、冷静に対処しているでしょうか。殆どが感情的に、その場の勢いで体罰(というか、暴力)をふるっているのではないでしょうか。

子どもが失敗や過失をしたとき、冷静に、今後の成長を考えながら対処しようとしたら、暴力という対応はしないはずです。

また、子どもは「大人扱い」しないと、いつまでも子どものままです。

体罰容認の考え方は、言葉で子どもを納得させることができないので、
大人が子どもを支配する、感情的に対処することへの承認がほしいという気持ちの表れです。

しかし、子育ては理想通りにはいきません。「いけない」と思っていても、感情的になってしまう、つい手を上げてしまうこともあるかもしれません。

そのような時は、そのことを正当化するのではなく、「本来はどうしたらよかったんだろう」と考えたり、「今感情的になってしまったから、そのかわり子どもの良いところや頑張っている所を見つけて伝えよう」と行動したりすることが大切なのです。

「『何が体罰か?』厚労省ガイドライン周知へ」2020年2月18日 日テレNEWS24 の記事はこちら

参考:「子への体罰禁止に新指針 『しつけで容認』6割の現実 2019年2月19日朝日新聞デジタル

参考:厚生労働省「体罰等によらない子育てのために〜みんなで育児を支える社会に〜




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