2020年1月20日 神奈川新聞より
神奈川県の公立高校で私物のスマートフォンを授業で活用できることになりました。スマホの授業中の持ち込み、使用を禁止している自治体が殆どなので、画期的なことです。
神奈川県教育委員会は、生徒が私物のスマートフォンを授業で活用できるシステム環境を県立高校全144校(中等教育学校を含む)に整備した。これまではスマホの持ち込みや校内での使用を禁止するケースが多かったが、97%超の生徒が保有している実態を踏まえ有効活用する方向に転じた。
2020年1月20日「スマホ禁止一転、授業で活用 神奈川県立高全校に環境整備 都道府県で初」
英断です。とても喜ばしいニュースです。約30年前、オートバイに対して「3ない運動」を行っていた神奈川県教委とは思えない施策です。
しかし、yahoo!のコメント欄は、批判的な投稿が大半です。
2020年1月20日「スマホ禁止一転、授業で活用 神奈川県立高全校に環境整備 都道府県で初」コメント欄
「分別がつかない学校は荒れる」
「スマホだれでも持ってるとおもったら大間違い」
「私物のスマホではなく、学校のパソコンで充分」
「人と人とのアナログなコミュニケーションも大事」
「管理で先生の負担が増える」
「授業中にゲームができたり、動画を見れたり、友人とLINEしたり」
「スマホ依存症が増えるだけ」
「コミュニケーション能力はさがり、知性は幼稚化する」
「最近は身近なイジメのツールにもなってるけど、その辺大丈夫なのか」
学校教育は誰もが経験したことがあるので、「一億総評論家」になりがちですが、自分の経験をもとに語ってしまうので、その意見が客観的とは限りません。そして自分の経験を肯定的にとらえたいという心理が働くので、新しいこと、現代的なことには批判的になりがちです。
殆どが反対意見でしたが、一部このようなコメントもありました。
この前、エストニアが学校教育にタブレット等を活用して世界トップクラスの教育国になったという記事をみた。
2020年1月20日「スマホ禁止一転、授業で活用 神奈川県立高全校に環境整備 都道府県で初」コメント欄
日本は既存のやり方を守ろうとするあまり、他国に遅れているところが多々あると思う。
スマホやタブレットのいいところは活用すべきだと思う。
スマホを初めとするICT機器は、現代社会に欠かせないアイテムです。子どもの頃からその影響から逃れることはできません。ですから子どもから、学校から引き離すのではなく、小学生の頃から適切な活用の仕方、機器を使った交流の仕方を体験を通して学ぶ必要があります。高校生からだと遅いくらいです。
2022年から成人年齢が18歳に引き下げられます。高校3年生は成人です。成人としての義務を課しながら、校則などで権利を縛るのは間違っています。日常的に自由に活用しているものを学校では禁止するのは、学校での学びを社会から乖離することになります。当たり前にあるものを当たり前に活用する、そのことが「生きる力」の育成には大切なのです。
神奈川県教育委員会の担当者は次のように述べています。
授業での活用に慎重な学校もあるが、今やスマホは特別な道具ではなく、文房具のように当たり前にある物。ICTを活用し自分で課題を発見していく学習を通じ、新しい時代に対応できる人材を育成したい。
2020年1月20日「スマホ禁止一転、授業で活用 神奈川県立高全校に環境整備 都道府県で初」
「文房具のように当たり前にある」ものを、小学校から系統立てて活用できるように、確かな学力につなげることが、コメント欄にあるような批判や懸念を解消することにつながるのではないでしょうか。
「スマホ禁止一転、授業で活用 神奈川県立高全校に環境整備 都道府県で初」2020年1月20日神奈川新聞の記事はこちら
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