2024年度からの本格導入を目指す学習者用デジタル教科書について、文科省が全国全ての小学校と中学校で、1教科分のデジタル教科書を提供する実証事業を来年度に実施することが8月25日に分かりました。今年度に全国の小中学校の約4割で実施している実証事業を、国公私立の全ての小学校と中学校に拡大します。
全国の小5〜中3に1 教科無償提供
文科省は本年度から、国公私立の小学5、6年生と中学生を対象に、学校が希望する1教科分のデジタル教科書を無償提供する実証事業を開始し、全国の約4割の小中学校で実施しています。来年度はこの実証事業をさらに拡充し、原則として国公私立の全ての小学5年生から中学3年生に付属教材を含むデジタル教科書1教科分を無償提供するほか、小学校段階の重点校については1年生から4年生にも対象を広げます。
配慮が必要な児童生徒には全て、全学年で
特別な配慮が必要な児童生徒については、デジタル教科書の効果が特に期待されることから、必要とする全ての児童生徒が利用できるようにします。このため、特別支援学校の小学部と中学部や特別支援学級の全学年が無償提供の対象となります。
予算は昨年度の2.5倍の57億円
デジタル教科書のクラウド配信の円滑な実施に向けた検証事業や、デジタル教科書の使用による効果の検証と課題の分析を行う実証研究なども合わせ、来年度予算の概算要求に57億円を盛り込みます(今年度の予算額は22億円)。
- デジタル教科書の実証事業に、前年度比30億5100万円増の50億8400万円
- クラウド配信の設計に関する検証事業として、前年比2億1500万円増の3億3100万円
- デジタル教科書の効果や影響に関する実証研究として、前年比4000万円増の1億500万円
- 児童生徒の発達段階や教科の特性に応じた指導法の研究と実践に、新たに6000万円
- 教科書制度をデジタル化に対応させるための調査研究事業として、新たに7100万円
こうした施策を通じて、文科省では、24年度の本格導入に向け、来年度に学校現場におけるデジタル教科書の導入を促進することになります。
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