9月9日に緊急事態宣言の延長が発表されましたが、それを受けての学校の対応についての調査結果を文部科学省が9月17日に発表しました。その調査の結果、休校は概ね減り、短縮授業や分散登校が増えていることが分かりました。
公立の小中高校などを設置する都道府県・市区町村教委に9月13日時点での対応状況を尋ね、1724教委が回答しました(前回調査は1757教委)。
幼稚園 | 小学校 | 中学校 | 義務教育学校 | 高等学校 | 中等教育学校 | 特別支援学校 | 設置者単位 | |
設置者数 | 630 | 1,647 | 1,635 | 101 | 144 | 19 | 106 | 1,724 |
目次
夏休みの延長・休校は小中で大幅減少、高校・特別支援学校で増加
夏休みの延長や臨時休校を実施したと回答した自治体
9月1日 | 9月13日 | |
小学校 | 11.5% | 3.2% |
中学校 | 12.9% | 3.7% |
高等学校 | 19.2% | 30.6% |
特別支援学校 | 9.2% | 2.8% |
特別支援学校を除くと、休校をした学校は小学校、中学校、特別支援学校で大幅に減少した反面、高校では大幅に増加したことが分かります。
短縮授業や分散登校を実施した自治体
9月1日 | 9月13日 | |
小学校 | 23.0% | 11.8% |
中学校 | 22.9% | 11.6% |
高等学校 | 34.2% | 30.6% |
特別支援学校 | 31.2% | 17.9% |
どの校種も、短縮授業や分散登校の実施は減っていることが分かります。
8月以降の夏季休業の延長や短縮授業等の実施状況
8月以降の夏季休業の延長又は臨時休業の実施日数
平均日数 | 最大日数 | 最小日数 | 実施した教委 | |
小学校 | 6.8日 | 25日 | 1日 | 198 |
中学校 | 6.9日 | 25日 | 1日 | 201 |
高等学校 | 7.1日 | 20日 | 1日 | 26 |
特別支援学校 | 8.3日 | 19日 | 1日 | 10 |
9月1日の調査では、最も長くて12日、最も短くて1日で平均すると4.7日でした。
8月以降の短縮授業又は分散登校の実施日数
平均日数 | 最大日数 | 最小日数 | 実施した教委 | |
小学校 | 10.7日 | 26日 | 1日 | 379 |
中学校 | 10.6日 | 25日 | 1日 | 376 |
高等学校 | 15.8日 | 27日 | 3日 | 58 |
特別支援学校 | 13.1日 | 30日 | 1日 | 32 |
休校よりも短縮授業・分散登校している方が日数も長く、実施した教委も2倍ほどあることが分かります。
都道府県による違い
夏休みの延長や臨時休校を実施したと回答した割合の多い自治体
1位 | 2位 | 3位 | 4位 | 5位 | |
小学校 | 茨城県(100%) | 三重県(10.7%) | 島根県(5.3%) | 栃木県(4.2%) | 和歌山県(3.4%) |
中学校 | 茨城県(100%) | 三重県(14.3%) | 熊本県(6.8%) | 島根県(5.9%) | 栃木県(4.3%) |
高等学校 | 茨城県、三重県(100%) | 岐阜県(25%) | 大阪府(20%) | 岡山県(14.3%) | |
特別支援学校 | 茨城県、三重県(100%) |
茨城県の休校の多さが群を抜いています。
短縮授業または分散登校を実施していると回答した割合が多い自治体
1位 | 2位 | 3位 | 4位 | 5位 | |
小学校 | 神奈川県(60.6%) | 福岡県(59.3%) | 埼玉県(55.6%) | 栃木県(41.7%) | 沖縄県(33.3%) |
中学校 | 神奈川県(59.4%) | 埼玉県(55.6%) | 福岡県(54.2%) | 三重県(46.4%) | 栃木県(39.1%) |
1位 | |
高等学校 | 神奈川県、千葉県、福岡県、熊本県、栃木県、東京都、富山県、沖縄県(100%) |
特別支援学校 | 千葉県、栃木県、滋賀県、長崎県、鹿児島県、沖縄県(100%) |
神奈川県、福岡県、埼玉県は約60%の自治体で小中学校の短縮授業または分散登校を実施しています。
いずれも実施していない自治体
実施率0% | |
小学校 | 青森県、岩手県、秋田県、宮城県、新潟県、石川県、福井県、長野県、京都府、兵庫県、鳥取県、山口県、徳島県、香川県、高知県、長崎県、大分県 |
中学校 | 北海道、青森県、岩手県、秋田県、山形県、新潟県、石川県、福井県、長野県、京都府、兵庫県、鳥取県、山口県、高知県、佐賀県、長崎県、大分県 |
高等学校 | 青森県、岩手県、秋田県、山形県、福島県、新潟県、石川県、福井県、山梨県、長野県、静岡県、滋賀県、京都府、兵庫県、鳥取県、島根県、広島県、山口県、徳島県、愛媛県、高知県、佐賀県、長崎県、大分県、宮崎県 |
特別支援学校 | 青森県、岩手県、秋田県、宮城県、山形県、福島県、群馬県、東京都、新潟県、富山県、石川県、山梨県、長野県、岐阜県、静岡県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県、鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県、徳島県、香川県、愛媛県、高知県、佐賀県、長崎県、大分県、宮崎県 |
全ての校種で実施がなかった自治体は、
青森県、岩手県、秋田県、新潟県、石川県、京都府、兵庫県、鳥取県、山口県、高知県、長崎県、大分県
です。
かなり多くの自治体で特別な措置はしていないことが分かりました。
東北、九州が多いのですが、緊急事態宣言中の京都府、兵庫県も未実施なのが意外でした。
参考
9月9日に緊急事態宣言が実施されていた都道府県
北海道、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、静岡県、愛知県、岐阜県、大阪府、京都府、兵庫県、三重県、滋賀県、広島県、福岡県、沖縄県
9月9日にまん延防止等重点措置が実施されていた都道府県
宮城県、福島県、石川県、岡山県、香川、熊本県、宮崎県、鹿児島県
緊急事態宣言が実施されていない茨城県が全ての自治体で休校になっていたにも関わらず、緊急事態宣言中の兵庫県や京都府で何も実施されなかったように、宣言と対応に相関関係はあまり感じられませんでした。
しかし、短縮授業や分散登校を実施した自治体の多くは、緊急事態宣言中の都道府県でした。
新型コロナウイルスの罹患者が多かったり、緊急事態宣言中だったりするにも関わらす、休校や、短縮授業・分散登校等の措置をしていない自治体の方針や対策が気になります。
参考:文部科学省「新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた新学期への対応等に関する状況調査(第2回)の結果について」
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