目次
プログラムの概要
日 時:2022年4月9日(土)14:00〜15:30
場 所:zoomにて開催
テーマ:「1人1台端末を使った授業づくりワークショップ(オンライン模擬授業)」
講 師:東森 清仁 先生(横浜市立仏向小学校 主幹教諭)
プログラム
- オープニング挨拶
- ミニ実践紹介
- ワークショップ
- ブレイクアウトセッション
- 共有タイム
- まとめにかえて
- 次回予告
1.オープニング挨拶(代表:後藤)
参加者へのお礼と共に,全国(東北・関東から中部,四国・九州まで)から参加者が集っていること,年間活動計画について報告されました。今回から始まる「ミニ実践紹介」についても概略の説明がありました。
2.ミニ実践紹介(事務局)
鈴木先生
鈴木先生からは,2年生3学期の実践として,生活科「ひろがれわたし」と国語科「楽しかったよ2年生」の二つの単元を統合して取り組んだスピーチの活動について紹介がありました。
2年生の思い出の中で楽しかったことを,ロイロノート・スクールの付箋に書き出します。一つの付箋につき,一つの思い出を書き出した後,一番伝えたいもの1枚に絞ります。その1枚を思考ツール「クラゲチャート」に貼り付け,詳しく伝えたいことを書き出しクラゲの足に付箋を貼っていきます。この付箋を,「はじめ」「中」「おわり」の3部構成になった表に並び替えることで,スピーチメモができ上がります。このようにして準備することで,スピーチを苦手にしていた子も上手に話すことができました。
千葉先生
千葉先生は,フリーランス教師として,非常勤講師等をされています。7月から2年生の教室に入り,12月から担任になったそうです。今回は,係活動での使い方について紹介してもらいました。その中でも,特に活用していた新聞係とイラスト係です。
新聞係は,週に1回新聞を書いて掲示していたのですが,「iPadでもできるんじゃない?」とアドバイスしました。そうすると,手書きの新聞を写真に撮り,その記事を読み上げるコンテンツとして,毎週,友達に配付する活動に発展しました。
イラスト係は、写真を撮ってイラストを加えたものを毎日のようにクラスの人たちに配って見てもらう活動をしました
山口先生
4年生の担任をしていた山口先生は,タブレットの操作に慣れるために,Jamboardを使ったレクリエーションをしたそうです。
「列対抗イラストコンテスト」というレクでは,一つのJamboardに,教室座席の列ごとにグループになり,グループでイラストの作成をしました。お題:「山口先生」では,ペンの機能を使うだけではなく,図形描画機能を駆使したイラストなど,個性あふれる作品ができ上がりました。紙(アナログ)で行われていたレクですが,タブレットを使うことで子どもたちが操作に慣れてきました。それだけではなく,主体的にタブレットを使った活動をするようになってきたそうです。
3.ワークショップ
テーマ:「1人1台端末を使った授業づくりワークショップ(オンライン模擬授業)」
講 師:東森 清仁 先生(横浜市立仏向小学校 主幹教諭)
東森先生は,横浜市立小学校の主幹教諭として勤務するとともに,横浜市小学校情報教育研究会で研究を深めたり,NHK for Schoolの番組・サイトづくりなどに携わったりしています。今回は,NHK for School「考える授業やるキット」を使ったワークショップをしていただきました。
NHK for School「考える授業やるキット」は,一人一台タブレット環境での授業プランを掲載しているサイトです。ここには授業ごとに動画やワークシート,学習活動案などが揃っていて,すぐに授業ができる素材がひとまとめになっています。
今回は,ふしぎエンドレス理科3年「虫はどこにいる?」やるキットを使った模擬授業をしていただきました。
まず,子ども役の参加者に身の回りで見つけた「虫」の発表をしてもらいました。対話と通して,子どもの意欲を喚起したりや焦点化したいポイントを示したりしました。次に,動画を視聴しました。動画では,身の回りの虫としてモンシロチョウやカマキリ,ダンゴムシ,トンボなどが紹介され,どんな虫がどこにいた?という,質問が投げかけられました。オンラインで動画を見せるときには,zoomだとビデオ用の画面共有という機能があり,カクカクしない映像を提示できることや,NHK for Schoolの動画の開始・終了時間を指定できる機能など,授業に役立つ小技も織り交ぜて紹介してくださいました。
その後,東森先生は,ジャムボードを使って発見した虫をどこで見つけたか記録するページを紹介し,記録の仕方を説明しました。授業では,タブレットを屋外に持ち出し,見つけたその場で記録をすることを想定しています。
ある程度,見つけた虫が出揃ったところで,「くらべてみると」というのにチャレンジしました。例えば,「はねでとぶ」というつながりや違いを見つけて,仲間づくり・仲間分けをしていきました。
理科授業においては,このように分類をしたことで,生き物の生息環境に関連付けていくことができるように支援することが重要です。やるキットでは,このように活動のサポートになるだけではなく,授業でおさえなければならないねらいについても掲載されています。また,ワークシートなどは,授業で使うにあたってカスタマイズすることも可能です。さらに,様々な情報も一緒になっているので,授業づくりに大いに活用できるようになっているのです。模擬授業はここまででした。
4.ブレイクアウトセッション 5.共有タイム
ルームA 教師が子どもたちの意見を発散させたり収束させたりする場やタイミングをどうコーディネートしていくか,それに合わせてツールをどう使っていくかといったことが話し合われました。
ルームB Jamboardの使い方のアイディアとして地図を背景にして写真を集めて貼る,研修での活用などが出されました。アプリのアップデートの情報なども話題になりました。
ルームC これからどうやってGIGA端末を使おうか考えているという先生方の意見がありました。保護者の立場から,端末の持ち帰りがあると子どもと一緒に勉強していけるので,学校ではそのような活用もぜひしてほしいという意見がありました。
ルームD Jamboardなどグーグルのアプリの使い方には,地域差があることがわかりました。このようなツールを授業に活用することで,決まった子だけが発言するのではなく,いろんな子の意見が反映できるのがいいという話題になりました。
6.まとめにかえて(代表:後藤)
NHK for Schoolは,日々進化しています。先生方は忙しく,サイトを見る時間も限られていると思いますが,是非教材研究のときに開いてみてください。
令和の日本形学校教育が示され,協働な学びと個別最適な学びが示されました。GIGA端末が行き渡った今こそ,協働的な学び,個別最適な学びとはどういうことなのか,実践を通じて一緒に考えていきたいです。
※この記事は、メディア教育研究会代表 後藤大ニ郎さん(佐賀大学大学院 准教授)の投稿です。
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