なぜ学校は横並び意識が強く、変化を恐れるのか




twtter、facebook等のSNSを見ていると

  • 「オンライン授業等新しいことを始めたいのだけれど、管理職が認めてくれない」
  • 「教育委員会の許可が下りない」

等の投稿が多く見られます。
特に最近は、オンライン授業にトライしたいのだけど、許可が下りないという声を数多く見かけます。

その理由としては

  • 全ての家庭が同じ環境ではないから導入できない
  • 他の学校ではしていないから自分の学校だけ行うことができない

というものが多いのです。

それ以外にも、「子ども同じものを購入させる」「学用品はそろえる」等、「みんなと同じ」「他の学校と同じ」「新しいことには抵抗がある」という意識が学校はとても強いです。

どうしてこのように学校は横並びが意識が強いのでしょうか。
統計をとった訳ではないのですが、私のこれまでの経験から考えていきたいと思います。

クレームと失敗を恐れる

学校は「新しいことをやってクレームが来るより、しない方がいい」という考えに凝り固まっているところがあります。
特に今の学校を動かしている50代が働き盛りだった30代の頃は、学校の働き方が以前に比べ急激に忙しく、プレッシャーが強くなった時期です。そしてこの頃は「ゆとり教育批判」が大変強かった頃もあります。そのため「仕事が大変」と訴えようなものなら「民間はもっと大変」「公務員は甘い」と大バッシングされる時代でした。「学校は社会のサンドバッグ」と言われたものです。
その頃の経験を強くもっている世代が教育界をリードするようになっています。新しいことを恐れ、無難な方向にもっていこうとするのは、このような経験があるからだと考えられます。

上意下達が当たり前で思考停止している

そのため、突出することを恐れ、回りの学校と足並みをそろえる傾向がとても強いのです。教職員から新しいことをやりたいという提案が出ても、校長は

  • 近隣校ではしていないから
  • 隣の学校と相談してから
  • 中学校区で足並みをそろえて
  • 校長会で相談してみる

という理由で、自分で判断しようとしません。そして、教育委員会に確認しようとします。

以前、文部科学省の官僚に仕事の相談をしたときに、次のようなことを話していました。

「文部科学省からの通達や学習指導要領は、あまり縛らないように緩く作っているのに」それが都道府県→市町村→学校と下りていく過程でどんどん融通の利かない、硬直的なものになっていく。」

教育委員会は文部科学省の、研究会や校長会は教育委員会を忖度し、通知や指示を「○○してはいけない」「△△をしなければいけない」と深読みし、自分で自分の行動を縛っている傾向が強いです。
そして、「上から指示が出るまで行動せずに待っていよう」「自分では考えずに上の指示に従おう」という思考になってくるのです。

前例踏襲主義

このようなことが続いているので、新しいことを提案しても、「過去にやったことがない」「前例がない」「前例がないから許可が下りるはずがない」という思考になり、試す前から行動にブレーキをかけることが当たり前になっています。

「とにかくやってみよう」という思考にならなければ学校は変わらない

麹町中学校の工藤校長等、「学校の当たり前を止めた」校長の仕事ぶりがマスコミに取り上げられることがあります。しかし、そのような方はごく一部で、ほとんどの校長・学校は保守的です。そして「うちの学校ではできない」「あそこの学校は特別」と、できないことを正当化しようとします。

しかし、新型コロナウイルスの休校で、今の公立学校は社会の変化に対応できる設備も、政策や方針を新しく出すスピード感もないことが露呈してしまいました。

今までは「変化の大きい時代に対応できる人材育成」というのは単なるお題目で、本気で変化に対応する体制ができていなかったと言えます。
しかし、今までの思考では対応できないことが明らかになりました。

今は上からの指示を待っててたら手遅れになることばかりですし、前例のないことが続く今だからこそ、平時と違い失敗しても理解されます。

今の学校に(教育委員会に、管理職に)求められることは、失敗を恐れず

「とりあえずやってみる」「とにかくやってみる」

というマインドだと言えるでしょう。




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