教員免許「うっかり失効」を防ぐアプリ、高校生が開発




免許更新「うっかり」の「ヒヤリ」はたくさんある

教員免許更新制度の見直しが議論されていますが、現状の更新制度がある限り、講習と更新手続きはしないといけません。
しかし「うっかり失効」のほとんどは、更新講習の時期を間違うのではなく、講習を受けた後に教育委員会への更新手続きを忘れる、講習免除の場合は申請しなくていいと勘違いして失効する、という場合がほとんどです。

筆者も実は「うっかり失効」になりそうになったことがあります。免許の有効期限が3月31日までなので、それまでに手続きをすればいいと思っていたのですが、県教委に書類を提出する期日が12月いっぱいだったのです、慌てて手続きをして事なきを得ました(実は免許の原本が見つからず、得証明書を県教委に発行してもらったり、郵送だと期日に間に合わなかつたので県庁に手続きに行ったりととても大変だったのですが・・・)。

管理職になったからも、職員の免許の有効期限を確認し、市教委に報告する書類を年に何度も出さなければならす、その事務処理の負担も大きいものでした。

高校生がアプリを開発

各地で相次ぐ「うっかり失効」を防ごうと、宮崎県立佐土原高校2、3年の男子生徒3人が更新期限を簡単に確認できるアプリを開発しました。グーグルの「アンドロイド」にもアップルの「iOS」にも対応しており、公開した3月下旬から1カ月足らずで600件近くダウンロードされました。

教育委員会が制作を依頼

3人が所属する部活動「情報技術部」が作成した防災アプリが全国の大会で最優秀賞を取ったこともあり、その実力に宮崎県教委が目を付け2020年10月、相談を持ち掛けました。

5ヶ月で完成

顧問から依頼内容を聞いた3人は、免許状の仕組みを学び、アプリに必要な機能を列挙。各機能がどんな順序で動けば使いやすいかを考え、機能ごとに担当を決めて製作を始めました。
約2カ月で試作品ができ、「文字サイズをもっと大きく」「教育委員会のホームページを表示できるように」などと県教委からの追加注文を受けて改良を重ね、3月に完成したアプリが「SHS教員免許」。

アプリの仕様は?

生年月日や免許状の取得日、学校種(中学、養護、栄養など)と種類(1種、専修など)を入力すると、満了日とともに、更新に必要な講習を申し込める期間が表示される。

スマートフォンやタブレット端末で撮影した写真を最大6枚保存できる機能もあり、免許状を撮影して保存しておけば学校にいつでも写しを提示できる。  

アプリ上の表記は宮崎仕様になっており、ダウンロードしたのは県内の教員が大半とみられるが、免許の仕組みは全国共通のため、他の都道府県の教員も利用できる。


ぜひ全国の先生に使って欲しい


起動画面などを製作した副部長で情報技術科3年の児玉響さん(17)は「使い手は大人なので、上品な見た目になるようにイメージした」。
通信工学科2年の北村治暉(はるき)さん(16)は「アプリがスマホのダウンロード画面に並んでいるのを見た時、自分が作ったのだと誇らしかった」。
情報技術部長で電子機械科3年の森大知(たいち)さん(18)は「最初は教員免許状のことすら知らず、作れるのかなと思ったけど、発注者の要望を丁寧に聞き取ってアプリが実現した。ぜひ全ての先生に使ってほしい」と呼び掛けている。

2021年5月28日 Yahoo!ニュース 教員免許「うっかり失効」防ぐアプリ 宮崎の高校生3人が開発

高校生に制作を依頼する宮崎県教委も、ニーズに対応して実現する高校生も素晴らしいです。




EDIX2021を視察した際、大学向けの教員免許更新講習受講者管理ソフトを販売している会社があったので、「逆に学校や個人が免許講習や更新期日を管理できるソフトがあると助かります」という話をしました。しかしその会社は「そのような需要があるとは思わなかった」というので、「ぜひ実現してください」と話したのですが、高校生が実現していたとは・・・

iOSアプリはこちらから

アンドロイドアプリはこちらから

参考:2021年5月28日 Yahoo!ニュース「教員免許「うっかり失効」防ぐアプリ 宮崎の高校生3人が開発」




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