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子ども面談で自己肯定感を高める

子ども面談とは

 クラス全員の子たちとアンケートをもとに5分ずつ話をしていく取り組みが子ども面談です。

 5分×32人なので160分。4時間授業分あれば足りるかと思いましたが、実際は1人7分くらいかけて話し合ったので、5時間授業分かかりましたが、一人一人の社会的スキルを把握し、それに応じた課題や目標を話し合うことができました。時間は、テストと自習、休み時間を駆使して作り出します。

「子どもの社会スキル横浜プログラム」と「YPアセスメント」


 横浜市には、子どもたちに社会的スキルを習得させる「子どもの社会的スキル横浜プログラム」というものがあります。このプログラムは、スキルの育成状況を把握する「YPアセスメント」とスキルを高める「指導プログラム」の2つから成り立っています。

横浜市「YPアセスメント活用リーフレット」


 YPアセスメント活用リーフレットの2ページ目に「結果は児童や保護者に面談等でフィードバックすることができますが、児童が傷つくことのないよう伝え方には充分留意してください。」とあるので、このYPアセスメントの学校生活アンケートをもとに子ども面談を行っています。アンケートは26の質問事項があります。

YPアセスメント「学校生活についてのアンケート」

自己肯定感について特に時間をかけて話


 子ども面談では、高自己評価や低自己評価の部分について理由を聞いてみたり、私が日常の様子を見ていて見取りが違っていた部分について質問したりします。自己肯定感について学んだこともあり次の質問事項は、特に時間をかけて話をしました。

④わたしは、自分のことを大切な人だと思います。
⑤わたしは、自分のことが好きです。
⑦わたしには、いろいろな良いところがあります。

 活発でいろいろなことに挑戦していて、生活を楽しんでいるように見える子でも、「どちらともいえない」や「全然そうは思わない」を選ぶこともあります。つまり、必ずしも行動に直結するわけではないのです。もちろん、行動を観察していて自己肯定感が低いのかもしれないと思った子がその通りだったということもあります。


 大事なのは、「なぜ、そのように思うのか?」よく聞くことです。いろいろな理由があります。友達と比較して自分はできていないから。親によく怒られるから。自分が大切とか、そんなことを考えたこともないから。聞けば聞くほど、思いがあふれてきます。

よいところを一筆便箋に

 私は、子どもたちのよいところを一筆箋に書いて渡しています。今年度は、今のところ一人に4枚ずつ渡すことができました。年度末までに、一人に15枚くらい渡す予定です。また、ほぼ毎日クラスの友達同士で一筆箋を書いたり、みんなからよいところを伝えてもらう「ほめことばのシャワー」というものを行ったりしています。自分自身のよさに気付いてもらいたい、よいところがたくさんある自分自身で認めてあげてほしい、そんな願いがあります。

 低自己評価だった子には、伝えてもらった、たくさんのよいところを自分のよさだと認めることができる力をつけられるようにアドバイスをしました。感覚的なことなので、一朝一夕では変わりませんが、意識していれば長い間に少しずつ変化していく気がします。
「君には、よいところがたくさんある。そんなに自分を責めないで。君は、すばらしい子なんだから。」

保護者との個人面談でもYPを活用

 子ども面談の結果をYPアセスメントのアンケートをもとに個人面談で保護者の方に伝えました。「叱ってばかりいたなあ。」とぽつりとつぶやいた方もいらっしゃいました。ご両親で子育てについて話し合い、子育ての仕方を見直すきっかけになるのであれば幸いです。

学級経営の見直しにも

学級経営をしている教員は、次の質問事項も気になります。

11 わたしは、クラスの友だちと一緒にいると楽しいです。
12 わたしは、クラスの友だちに大切にされています。
13 わたしは、今のクラスが気に入っています。
14 わたしは、このクラスになって良かったと思っています。

 子どもたちと話してみると、友達関係のことやクラスの様子のことなど様々な意見を言ってくれます。学級経営の中でよいところは継続し、改善すべきところは自分のやり方を一度捨てて改善していく柔軟さが大切だなあと思います。自分自身の学級経営を見直すきっかけにもなりました。

 次の子ども面談は、12月と3月に開く予定です。

※この記事は、小学校教諭「イマシュン」さんの投稿です。

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